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2021.10.12

ILC青森 令和3年度 第19回前期卒業式および後期開講式

それぞれの新しいスタート、
卒業式と開講式が行われました

 仙台育英学園高等学校 広域通信制課程ILC青森の令和3年度 第19回前期卒業式と後期開講式が、9月26日(日)、八戸グランドホテルを会場に行われました。式では、加藤雄彦校長先生から19名の卒業生一人一人に卒業証書が手渡されました。
 卒業式に続いて、同じ会場で後期開講式も開催されました。後期入学生は20名。職員紹介や新入生宣誓、学生証交付などが行われました。

令和3年度 第19回前期卒業式

卒業生代表答辞【全文】
 秋の深まりを感じる今日、私たちは卒業の日を迎えました。このコロナ禍に、こうして卒業式を行っていただいたことに深く感謝いたします。
 私がこの仙台育英学園高等学校ILC青森に転校を考えたのは2年前のことでした。10月中旬、季節は秋から冬へと彩りをかえていました。以前通学していた学校で、入学して半年にもなるのにまだクラスに馴染めず、私は初めて不登校を経験しました。当時の私は、自分が自分でなかったように思います。混とんとしていた私を何も言わずに見守ってくれていた両親。そんな両親の思いに気づけず、私は冷たい態度をとっていました。そして、私は転校という道を選択しました。そのときある先生がかけてくださった言葉を私は胸に刻みました。「君は優しい。そんな君を大切に思っている人がいることにどうか気付いてほしい。もう一度他人に優しく接することができるのなら、また、君はやり直せる。」そんな言葉をかけてくださった先生と、私は目を合わせることができませんでした。当時の私は、嫌な人間にばかりフォーカスしていて、とても愚かだったように思います。アルバイト先で多くのシフトに身を投じることで、自分の感情をだまし、自分が行うべきことから目を背けていました。そのうえ、体調を崩し、そのアルバイトさえ辞めることになりました。自分が自分であることの証明であったアルバイトを失うことは、私を絶望させました。それまでに貯めた預金通帳を横目に、日々の「暇」という時間の刻みがひたすらに辛かったことを今でもしっかり覚えています。

 それから春になり、私はこの仙台育英学園高等学校通信制課程に入学することになりました、過去の経験からすっかり臆病になっていた私を、先生方がいつも勇気づけてくださいました。そのおかげで、体調が日々本来の自分に戻っていくのを実感しました。スクーリングはもちろん、ボウリング教室、ILC青森ウォーク、外来植物の駆除といったボランティア活動など様々な行事に、アクティブに参加できるようになりました。

 しかし、季節が夏から秋に代わるころ、私はまた体調が悪化し、学校を休むようになりました。「なんで自分だけこんな目に遭うのだ。」と辛い思いをリフレインさせていました。苛立ちを両親にぶつけてしまうこともありました。相手にばかり求めることしかなかった自分は子どもだったと今ではわかります。そして、そんなどん底の気持ちの日々の中で、ある時「これではダメだ、いずれ自立しなければ」と思い立ちました。私に課せられた日々の責任から逃げたいという自分の弱さに、どうにか負けずにここまで歩き続けてこられたのは、両親や先生方のおかげです。自分だけの力で生きているのではない、このことに気づいてから、体調も徐々に回復していきました。

 卒業生の皆さん。この学校でそれぞれの思いをもって今日までを過ごし、卒業の日を迎えました。私たちは、自立しなければなりません。それは、自分の生活をもつことだったり、友人をつくることだったりという表面的なことではありません。自分の行動の責任を自分で負うということです。これは、一見不自由そうに思えますが、自分の責任において、周りにとらわれず、自分の時間を自由に生きていくとも言えるのではないでしょうか。そして、両親をはじめ自分を支えてくれた方々に感謝しましょう。私たちが手にしている今という時間は、今日まで愛情や力を私たちに注いでくれた多くの人たちからのバトンです。この今という時間を大切に生きていきましょう。人は何度でも立ち上がることができます。何があっても、きっときっと何とかなります。

 最後になりますが、先生方、保護者、私たちに関わってくださった全ての皆様、本当にありがとうございました。そして、卒業生の皆さん、一緒に過ごしてくれてありがとう!


令和3年9月26日
卒業生代表
 
 

令和3年度 後期開講式

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