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2025.04.03

ILC青森 令和6年度第23回後期卒業式

ILC青森で見つけた目標を胸に
未来に向かって進んでいきます

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 3月9日(日)、仙台育英学園高等学校広域通信制課程ILC青森の令和6年度第23回後期卒業式が八戸グランドホテルで行われました。式では加藤雄彦校長先生から、卒業生137名に向けて温かい激励の言葉がかけられました。卒業生たちは、春からそれぞれの道に進んでいきます。
 

卒業生代表答辞【全文】

寒さの中でも、朝の陽ざしが春の訪れを感じさせる今日、私たちは卒業の日を迎えました。本日は、このような厳粛な卒業証書授与式を挙行してくださりありがとうございます。
 
私は、元々全日制の高校に通っていました。学校での授業、部活動、家での課題に追いたてられ、それらをこなすだけで精いっぱいの日々を過ごしていました。目標もなく、周りに流されるように、入学したこともあり、学校へ行くというモチベーションもなく、だんだんに追いつめられるような気持ちになり、ある日を境に学校に行けなくなりました。頭では、「行かなきゃ」と思うのですが、体は動かず、夜になると、明日からは行こうと考えるけれど、やはり、動けない、そんなことの繰り返しでした。そして2年、周りの友人たちが、高校卒業の時を迎えたころ、面談があり退学を決めました。
 
そんな現状を変えたいと思い、就職を含め様々な道を模索しているときに見つけたのが、ILC青森のホームページでした。学校に通うのが久しぶりということもあり不安でしたが、入学してみると、以前通っていた学校と違い、追い立てられる感じはなく、自分のペースで学べ、自分の時間も確保することができ、意外とやっていけそうだと感じました。また、ゴルフやカンフーなど、他では体験できそうではない行事もあり、私はこの二つに、3年間全て参加したほど楽しめました。
 
心の余裕もできてきた1年の9月ごろ、空いている時間を利用し、社会経験を積む目的で、コンビニエンスストアでのアルバイトを始めました。仕事上、理不尽に思う場面もありましたが、笑顔を忘れず、丁寧な接客を心がけていました。そんなある日、レジで2本のモンスターを手にした30代ぐらいの男性から、「どっちがいい?」と聞かれました。私が驚きながらも「こっちが好きです」と答えると、その人は、ねぎらいの言葉とともに1本のモンスターを渡してくれました。その人に聞かれた、仕事の試験会場の場所を説明しただけだったのですが……。対価を得るためにしたことではないのに、感謝の言葉を伝えていただけるというのは、本当にうれしいものでした。そして、働くことの喜びを感じた瞬間でした。
このお店では、2年半続けて働いていて、夏の繁忙期にはフルタイム週5日ということもありました。自分の時間は全く取れない状態でしたが、以前と違い、全く気になりませんでした。不思議です。自分の時間が取れないことで、追い込まれてしまっていた高校入学当時の自分とは大きく変わっていました。自分で考え、選択、納得してやっているからかもしれません。少しは、成長したのかとも思います。
 
今までは、将来に漠然とした不安がありました。しかし、学校生活やアルバイトを通して、介護福祉士になるという一つの大きな目標が生まれ、それに向かって進むことができるようになり、4月からは神奈川県の医療福祉専門学校へ進学します。また、以前は、完璧主義であるがゆえに、自分自身を追い詰めがちでしたが、「全て完璧な人などいない。周りの手を借りてもいいから自分ができることをしっかりとやればいい。」と、自ら心に余裕をもたせ前向きに考えることができるようになりました。こう考えてくると、学校に通えずに、ずっと家にいたことも無駄ではなかったのだと思えてきます。その時間があったからこそ、今の夢をもつことができたのだと実感します。
 
中学校を卒業してから6年。高校卒業までに時間がかかってしまいましたが、今日まで見守り育ててくれた両親に感謝します。また、先生方、学校生活において、一番身近で安心できる存在でした。相談があるときも、いつも優しく親身になって接していただきました。本当にありがとうございました。
 
本日、私たち137名は、それぞれの未来に向かって旅立ちます。大きな壁にぶつかることもあると思いますが、ILC青森で得た、学びや経験を糧にして、一歩一歩自分の足で歩んでいくことをお誓いして、お別れの言葉といたします。
 
令和7年 3月9日 
卒業生代表
 

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