*歓迎セレモニー
 
歓迎セレモニーの様子

歓迎セレモニーの様子

歓迎セレモニーの様子
 
 ニュージーランド国会議長一行をはじめとする皆さんの歓迎セレモニーは、新“南冥”1階オークルームで行われました。加藤雄彦校長先生は歓迎の挨拶で、「東日本大震災から13カ月後の今年4月9日に開校式が行われ、新しいキャンパスに生徒たちが戻って来ました。本日、大震災後の東北地方を視察に来られました皆様を、復興を成し遂げたここ宮城野校舎でお迎え出来ますことは大きな喜びであります」と震災からの復興までの経緯をお話されました。また、大震災と福島県での原発事故の影響により国際理解教育の実施が難しい状況において、「世界14ヵ国に80校も姉妹校がある中で、2013年2月、大震災後の最初の交換留学生を派遣して下さったのは、貴国クライストチャーチ市郊外の本校姉妹校であるカイアポイ・ハイスクール(Kaiapoi High School)でした。貴国の方々が、震災後に本学園に向けて下さった姿勢は、私共にとって復興に向けての大きな励ましであり改めて感謝申し上げます」と積極的な交流活動をこれからも続けていきたい旨と感謝を述べられました。

加藤雄彦校長先生 歓迎の言葉《全文》



デービッド・カーター国会議長

 デービッド・カーター国会議長からのご挨拶では、「仙台育英学園高校では非常に姉妹校の活動に力を入れていらっしゃいまして、ニュージーランド国内でも、また私が個人的に出身地であるクライストチャーチにもたくさん姉妹校をお持ちということを改めて知りまして、非常に感激しております」と話されました。そして2010年にクライストチャーチでも巨大地震があり、崩壊してしまった学校があることに触れられ、「この崩壊した校舎を再建するという計画が打ち出されました。そしてこの高校の再建にあたりまして、同じ敷地内に小学校の建物をつくり、まったく新しい環境で学生たちが学ぶことができるもの、そして21世紀においての若い世代を輩出するという、非常に大切な役割を担う学校として、政府が打ち出した計画でございます」と、ニュージーランドも震災からの復興への道を確実に歩んでいることについて話してくださいました。

デービッド・カーター・ニュージーランド国会議長
《日本語通訳全文》


 また、ニュージーランド姉妹校のマフランギ・カレッジ(Mahurangi College)の理事をされている、トレーシー・マーティン議員からもご挨拶があり、その際2つの贈り物をいただきました。マーティン議員は、「ひとつはマオリの伝統工芸品であります“ネレン”というもので、こちらは元々戦争時に使われていたものなんですけれども、闘いや現代に及ぶチャレンジの象徴としてプレゼントをお贈りしたいと思います。2つ目の贈り物はプレートになっております。こちらに何か記念品や大切なものを置いてお使いいただければと思います」と説明をしてくださいました。

歓迎セレモニーの様子 歓迎セレモニーの様子


新しいものをつくっていくという、
挑戦的な精神と考えを持ち復興に取り組む


 懇談の後の質疑では、「東日本大震災の後、復興を成し遂げる学校ということで、非常に積極的に取り組まれているということですけれども、再建・復興についての取り組みについて詳しく伺いたい」というご質問がありました。校長先生は「復興のためのポイントは大きく分けて全部で3つございました」と述べられ、「この学校をどのようにして復興させるか」については、校舎建設にあたって多くの企業の協力と公的な援助をいただくことに成功したこと。そして2つ目は「幸いなことに生徒に命を落としたものや怪我をしたものが居なかったこと」であり、心のケアや学生寮で生徒を無料で預かるなどはしたものの、「個人に対する悲しいセレモニーを一切することがなかったのは非常に幸運だった」と話されました。そして「建物を建て替えて、それで終わりでは将来に対する進路がないというふうに私は考えています」「仙台育英学園の復興のためだけではなく、この東北地方の復興のためには、元に戻すだけでは全く意味がありません。むしろ新しいものをつくっていくという挑戦的な精神と考えを持つために、これから政府や世論的資金を導入しながらやれることに取り組んでいきたいと考えています」と回答されました。