2021年4月開校

教育と進路

〈教育の特色〉学習/Learning

自ら学び、思考する力が満ちてくる

IBの学習プログラムによる探究型の授業で 高度な学力を養います

 

IBのプログラムを通して
““学びに向かう力”を磨く

 入学後、国際バカロレア【IB】の中等教育カリキュラム(11歳〜16歳対象)であるMYP(Middle Years Programme)を、秀光中学校第1学年から仙台育英学園高等学校 秀光コース第1学年まで行います(*1) 
仙台育英学園高等学校 秀光コース第2学年からは、各々の進路達成に向けて2つのコース横断型選抜クラスを設置しています。秀光コースの生徒は「Dual Language Diploma Programme(DLDP)」「English Language Diploma Programme(ELDP)」のいずれかのクラスに在籍することになります(*2)。DLDPとELDPでは国際バカロレア【IB】のDP(Diploma Programme)を実施します。DLDPとELDPの違いは、使用言語です。DLDPでは日本語と英語によるDual LanguageでのDPを、ELDPは英語で(*3) DPを学習します。「Medical Academic Programme(MAP)」は、秀光中学校から特別進学コースに内部進学をした上で所属する医歯薬系大学志望向けクラスです。

*1 秀光中学校から仙台育英学園高等学校に進学する際、内部進学選考が行われます。
*2 MAP、ELDP に所属を希望する場合には、各選抜条件に従って選考されます。
*3 言語B(外国語)は英語以外で学びます。
 
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ATLスキル
【Approaches To Learning 学びに向かう力】

コミュニケーション
Ⅰ コミュニケーションスキル

社会性
Ⅱ 協働スキル

自己管理
Ⅲ 整理整頓する力
Ⅳ 情動スキル
Ⅴ 振り返りスキル

リサーチ
Ⅵ 情報リテラシースキル
Ⅶ メディアリテラシースキル

思考
Ⅷ 批判的思考 スキル
(クリティカル シンキング)
Ⅸ 創造的思考スキル
転移スキル

MYPによる日々の学習について

シラバスから始まり、振り返りまでの
流れの中で“学ぶ力”を身につける

MYP授業の流れ

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  • 1.シラバスの提示

    はじめに学習の概要・計画を把握し
    ATL Skillの大切さを学びます

     MYPによる秀光の授業は、シラバス(授業の計画・内容の概略)の配布とその説明から始まります。教員は探究のテーマや単元で学ぶ重要概念について説明します。さらに学習の内容、学習の方法について説明し、学びに向かう力(ATL Skill)について生徒に伝えます。
     

  • 2.学び

    ペアワークやグループワークで
    意見交換しながら理解を深めます

     IBでは探究すること、行動すること、思考することを通して、学びを深めていきます。学びの過程では個人学習に加えてペアワークやグループワークなどで、チームによる学びを生徒に促していきます。このチームによる学びを通じて、理解はさらに深められていきます。

  • 3.評価

    評価基準が事前に示され、
    それを基にレポートを作成します

     単元の学びの中でレポートやテスト、プレゼンテーションなどを行います。レポート作成のための調査では、調べたり実験したりしながら理解を深めていきます。レポート作成には評価規準(ルーブリック)が示され、生徒は目標とする評価に届くようレポートを作成していきます。

  • 4.振り返り

    “振り返り”で知識を定着させ、
    次の目標へ進んでいきます

     授業の終わりや単元の終わりには、必ず“振り返り”を通して自分が学んだことへの自己評価を行います。これにより、次の単元への目標を自ら設定します。効果的なフィードバックを行うことも、MYPの授業の大きな特徴のひとつです。

コンピテンシー分類

 コンピテンシーとは行動特性を表し、主体性やコミュニケーションスキル、問題解決能力などが含まれます。下のグラフにおいて、全国平均の最頻値がレベル3であるのに 対して、秀光中学校の生徒の最頻値はレベル4です。秀光でのIB教育を通して、リテラシー(知能・技能)のみならず、コンピテンシーも高めてディプロマ取得に繋げていきます。
※レベル5が最大
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こんな授業を進めています
DP TOK【高校2年生】

世界を効果的な方法で探究し、
自分の考えを論理的に伝えるスキルを身に付ける

全ての教科の基盤になるTOKを学ぶ

DPのコア科目としてTOK(Theory of Knowledge 知の理論)があります。
 「TOKは全ての教科の基盤になるもので、『知識に関する問い』と私たちを取り巻く世界の間のつながりを見つけ、知るプロセスを探究します」(TOK担当・石田真理子先生)
 例やエビデンスを効果的に使用して、筋の通った議論を構築します。様々なものの見方があることを認識し、到達した結論にどのような価値があるかも考えます。
 TOKの授業では、テーマや知識の領域について探究を深めます。様々な情報源からエビデンスを探していき、その中で、信憑性や信頼度が高く、自分の主張と関連性の高い情報を取捨選択できる能力を身に付けていきます。

2024年度の授業の様子

 各「テーマ」や「知識の領域」を学ぶために、「知識に関する問い」(KQ:Knowledge Question)を考察し、知るプロセスを探究します。授業では、様々な活動を盛り込んでいます。
 知識の領域「芸術」では「芸術における絶対的な基準が存在するという主張を正当化することはどのような意味を持つのか」について考えました。
 
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  • 授業【プレゼンテーション】
    「優れた芸術」の絶対的な基準の存在についてのプレゼンテーションの様子。
  • 授業【ディスカッション】
    知識の領域のKQに答えるために、実社会の状況の例を挙げながら議論する様子。

《TOK展示》
私たちを取り巻く世界の中で
TOKがどのように顕在しているかを考察する

 TOK展示の課題はDP第1年次(高校2年生)の間に完成させるものです。TOK展示では、35個のIAプロンプト(知識に関する問い)から1つ選択し、それにつながる3つの事物で構成される展示を制作します。私たちを取り巻く世界にTOKがどのように顕在しているかを深く考察するものです。また、展示には1,900字以内のコメンタリーをつけます。これは内部評価として指導教員が評価をして、IBに提出します。

ほかTOKでは、所定課題に関する
エッセイを執筆します(3,200字以内)。

 6つの所定課題から、1つ選んでエッセイをアカデミックライティングに基づき執筆するものです。

【2024年11月 セッションの所定課題例】
知識の生産において、創意工夫は常に必要であるが、決して十分ではないのだろうか。数学とさらにもう1つの「知識の領域」に言及しながら論じなさい。
仮説と憶測の間には有意な違いがないという見方にどの程度同意するかを、人間科学とさらにもう1つの「知識の領域」に言及しながら論じなさい。
知識の追究において、芸術家が科学者のレンズを取り入れること、および科学者が芸術家のレンズを取り入れることによって、何が得られるだろうか。芸術および自然科学に言及しながら論じなさい。