仙台育英学園高等学校は、
東北初のIBDP(国際バカロレア ディプロマ プログラム)認定校です。
仙台育英学園高等学校は、2015年2月に国際バカロレア ディプロマ プログラム(DP)の認定校となり、世界のIBワールドスクール(IB認定校)に仲間入りしました。2024年現在秀光コースでDLDP、ELDPを実施。DPは原則的にどのコースからも受講可能です。
国際バカロレア(International Baccalaureate)とは
国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラムのことです。
1968年に、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解してそのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身につけさせると共に、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施しています。2024年現在、世界160以上の国・地域で5,800校認定されており、日本国内では仙台育英学園高等学校を含め251校が認定校として認められています。
Diploma Program(DP)
16歳〜19歳を対象としたプログラムであり、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能です。
原則として英語、フランス語又はスペイン語で実施されるプログラムと日本語と英語で行うデュアルランゲージプログラムがありますが、日本語デュアルランゲージプログラムを採用することを、日本で初めて認められています。(最終試験は英語と日本語で実施されます)
国際バカロレア ディプロマプログラム
1 2015年度4月よりDPを導入
仙台育英学園高等学校は東北で初めてのIBDPを外国語コースに導入いたしました。IBは世界で約5,000校以上が採用している、国際的に認知された世界トップレベルの教育プログラムです。卒業資格を得ると、世界の大学への進学が可能になります。また、日本でも政府が国策としてIBDPの導入を推進しており、国内の国公立大学、私立大学へもIBDPの卒業資格を利用して進学することが可能になります。
本校はIBの世界規模のネットワークに入ったので、IBワールドスクールの一員として、生徒も教員も世界のIBスクールと連携し、協力し合うことが可能になりました。
2 グローバルシチズン(世界市民)として21世紀を生き抜くスキルを
IBDPは高等学校第2,3学年で実施する2年間のプログラムです。複数の言語でコミュニケーションする能力(multilingualism)、PC等の先端技術を駆使する能力(ICT skills)、探究・分析・統合する能力(higher order cognitive skills)、発表したり、論文を書いたりする能力(public speaking & academic writing skills)等を身につけることができます。
21世紀は今後どうなるか予測は難しいですが、上記の能力を身につければ、混沌とした時代を生き抜いていくことができます。
私たちは下記の学習者像の特性を生徒が身につけて、国際的な視野や確かな学力を持ち、指導力を発揮できる良き世界市民になってほしいと考えております。
学習者像
- *探究する人
- *知識のある人
- *考える人
- *コミュニケーションできる人
- *信念をもつ人
- *心を開く人
- *思いやりのある人
- *挑戦する人
- *バランスのとれた人
- *振り返りができる人
3 デュアル・ランゲージ ディプロマプログラム
仙台育英学園はデュアル・ランゲージでIBDPを行います。IBDPは6つの科目とコア科目から成り立っています。English BとArts以外は日本語で授業を行います。日本語の科目は2年目の11月の卒業試験も日本語で受験することができます。
仙台育英学園のIBへの取り組みについて
1 IBと仙台育英学園
平成27年4月から仙台育英学園高等学校は外国語コースに東北地方で初めて国際バカロレアディプロマプログラム(DP)を(注)デュアルプログラムで導入しました。平成28年4月現在、IB生は時代を先取りした近未来的な真新しいオープンスペースで、2期生がDPの学習を開始しており、1期生は今年度の卒業試験に向けて勉強に励んでいます。
IBの理念のひとつに“International-mindedness”がありますが、本校の教育方針と共通しています。本学園初代校長である加藤利吉先生は仙台育英学園の前身である育英塾を創設する際、「戦争のない世界を作らなければならない。そのためには一民族の繁栄だけを願うのではなく、もっとグローバルな目をもって世界を見て活躍できる人材をたくさん育てるべきだ(「ほえろ!ライオン先生」より)」と考えられました。以来本校はグローバルシティズンを育成することを教育方針のひとつにしてきました。100校にも及ぶ姉妹校を世界中に持ち、たくさんの留学生を受け入れ、そして海外に多くの生徒を送り出しております。また、本校の建学の精神や生活信条とも共有している部分がたくさんあります。
(注)DPは本来英語だけで学ぶ教育プログラムですが、日本で普及させるために一部科目を日本語で教授することが認められました。本校ではEnglish A, Bと美術以外の教科目を日本語で受講できます。
2 協働作業
IBは教員、生徒の協働作業を重視します。IBは6つのグループの教科群とコア科目(TOK,CAS,EE)から構成されたプログラムです。コア科目はいわば教科横断的科目です。それぞれのグループの教科担当は自分の教科とコア科目の接点を考えながら授業を計画することが求められます。IBの使命や学習者像、そしてTOK(知の理論)やCAS(創造性、活動、奉仕)の精神をいかに教科横断的に各教科の授業の中に取り込み、発展させていくかということも考えていかなければなりません。教員間の話し合いが必要になり、授業の計画段階、実施段階、見直しの部分で教科の枠にとらわれずどのように教科同士が連携していくべきか考えなければなりません。IB担当教員は週1回ずつ会議を持ち話し合いを進めてきました。ベリフィケーションビジットではIBから派遣された点検担当のスタッフから、教科担当同士の話し合いのもとでIBのプログラムの導入計画が立てられたことが評価されました。
3 学習者中心の授業
IB授業のもう一方の大きな特徴は生徒中心であるということです。講義形式ではなく生徒自身が考え、探究し、発表しながら授業を進めていくことが求められます。生徒が個人で、グループで、そしてクラス全体で様々な形態をとりながら授業を行います。従来の講義形式とは異なった形で授業を計画しなければならないので、アクティブラーニングについてIB担当教員のミーティングでは多くの時間を割きました。日本人教員にとってはコペルニクス的転回といってもいいほどの大きな変化で、その考え方に慣れるのにも時間を要しましたが、ネイティブの先生方に指導してもらいました。
4 形成的評価
評価も大きな課題です。IBの試験はIA(内部評価)とEA(外部評価)があります。EAはIBが実施し、IAは校内の教科担任とIBが評価をします。それらに加えて形成的評価があります。これは授業の中で生徒の理解度や、やる気などを評価するもので成績には反映されず生徒の学習や教員の指導方法のフィードバックに用います。様々な形成的評価方法や実施方法があります。学習者中心の授業と同じように日本人の教科担当者にとって新しい考え方なのでこれから授業を実施するにあたりIB授業担当者全員で実践研究を進めていかなければならない分野です。