2021年4月開校

お知らせ

仙台育英学園高等学校 秀光コース 第20期生 卒業証書授与式

前例にとらわれず能動的かつ挑戦的に
自分の人生を歩んでいってください

 
 仙台育英学園高等学校 秀光コースの卒業証書授与式が2月27日(土)に行われました。この日卒業を迎えたのは、秀光中等教育学校の前身である秀光中学校の開校より数えて第20期生です。今年度も、感染症対策の特別措置で人数を制限し短時間で行われました。
 式では、加藤雄彦校長先生から卒業生に卒業証書が手渡され、続いて成績優等賞や秀光グランプリなどの各賞の表彰が行われました。成績優秀者に贈られる『加藤利吉成績優等賞』はジョルダン・パンゲストゥさんと佐藤さんが、6年間の功績を讃える『秀光グランプリ』には加藤さんと小山さんが選ばれ、校長先生から賞状と楯が贈られました。
 卒業式のあとは、秀光の同窓会「欅の会」への入会式、そして各教室で最後のホームルームが行われ、仲間や先生方と秀光での思い出を振り返りました。20期生と秀光との深い絆はこれからも変わらず続いていきます。

秀光グランプリ 受賞者 表彰内容

『Compassionate Communicator Award』 加藤さん(中津山小出身)

 あなたは、秀光コース在学中、学業と部活動、ボランティアの活動すべてにおいてよく努力を重ねました。ボランティア活動では1年次にアフリカ諸国の社会問題に関心を持ったことをきっかけに、ウガンダの女性への支援活動に精力的に取り組みました。学業面では2年次からIBDPを履修し、授業や課題に協働的に取り組み高い思考力を身につけ、見事にDiplomaを取得することができました。
 何事に対しても、自分よりも他の人々を第一に考えながら謙虚かつ献身的に取り組み、目標を持って努力を重ねる姿は多くの生徒たちから信頼を集めました。仙台育英学園の生活信条七箇条とIBの学習者像を体現した「Compassionate Communicator」として、ここに賞します。
 

『Principled Leader Award』 小山さん(榴岡小出身)

 あなたは、秀光在学6年間にわたって学級委員として学年を牽引し、学業と部活動の両立を目指してよく努力を重ねました。秀光コース2年次には、オーケストラ部部長として秀光祭や校外での演奏活動で活躍するとともに学業ではIBDPを履修して授業や課題に真摯に向き合い、見事にDiplomaを取得することができました。数多くのコンテストに参加して優秀な成績を収めただけでなく防災をテーマにしたCAS活動は高く評価されました。
 何事に対しても強い意志と向上心を持って努力し、深く突き詰めていく姿は生徒たちの模範となりました。仙台育英学園の生活信条七箇条とIBの学習者像を体現した「Principled Leader」として、ここに賞します。

校長先生からの式辞【一部抜粋】

 この一年間、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、普段と違う行動様式を強いられ、さまざまな障害があったのにもかかわらず、進路達成に向けて努力してきた卒業生の皆さんの姿は、間違いなく後輩である秀光生たちに受け継がれていると思います。
 これからの時代は、先を見ながら前例にとらわれずに自分の道を突き進む、本校の建学の精神「自治進取」とともに歩んでいくことが重要になってきます。秀光で6年間学んだ皆さんは挑戦的に自分の人生を歩んでいけるはずです。日本の社会を能動的に変えていけるような人になってほしいと願っています。
 

送辞【一部抜粋】

在校生代表 秀光コース2年 冨士原さん(釜小出身)

 先輩方が最高学年となり、まさに実りの時期を迎えようとしたとき、新型コロナウィルスの感染拡大という未曾有の事態に見舞われました。先行きが見えない中で、大学受験を控えた先輩方にとってこの一年は私たち以上に不安や苦労が絶えなかったことと思います。しかし、先輩方はこのような状況にも屈せず、夢の実現のために努力を重ねることの尊さや厳しさを、その背中を通して私たち後輩に示してくださいました。
 仙台育英学園の学び舎で過ごした日々と、仲間たちとの思い出、そして私たち後輩のことをいつまでも忘れないでください。5年間、たくさんの思い出をありがとうございました。


答辞

卒業生代表 佐藤さん (多賀城東小出身)

 鳥のさえずりや、暖かな日差しに包まれながら、春の訪れを感じられる季節となりました。
 
 本日はお忙しい中、また新型コロナウィルスの流行という大変な状況の中、厳粛な中にも心温まる秀光コース卒業証書授与式を挙行していただきましたことを、卒業生一同、心より御礼申し上げます。
 
 先ほどは、校長先生からのご式辞をはじめとして、父母教師会会長様からのお祝いの言葉、在校生代表の送辞を頂き、誠にありがとうございます。たくさんの思いを背負い、私たち20期生は本日、卒業いたします。
 
 大きな期待と不安を胸に、秀光中等教育学校の扉を開いたあの日から、私たちの6年間は光のようにあっという間に過ぎてゆきました。6年前の入学式に、この場で宣誓を行ったときは不安の方が大きかったですが、6年間の学びを経て、たくさんの経験や、かけがえのない仲間たちに出会えたことで、今、誇りと希望をもって再びこの場に立つことが出来、とてもうれしく思います。
 
 この6年間、私たちは様々な行事を通し、仲間との絆をより強固なものにしてきました。1、2年次のグリーンスクールでは、クラスごとにダンスを発表するため、事前に何度も話し合って、フォーメーションを決めたりしました。入学して初めての行事で、まだお互いよそよそしく、意見の食い違いも多くありました。話し合いが激化して途中で練習が中断されたこともありました。しかし、お互いに教えあったり、意見を交わしたりしたことでだんだんその距離は縮まっていきました。
 
 3年、そして高校1年次での海外研修は、私たちに新しい価値観や広い視野を与えてくれました。ホームステイで全く日本語が通じない中でも、ルームメイトと協力し合って意思を伝えられたことの喜びは、今でも忘れられません。
 
 最後の研修となった京都研修では、「絆」というテーマのもと、歴史ある建造物やこれからの世界を意識したSDGsの取り組みなどについて学びました。研修中のホテルで、みんな部屋の一か所に集まっていたり、疲れているにも関わらず、話が尽きなかったりと、友人同士の仲の良さを感じた、良い思い出です。そして学校に帰ってきてからは、学んだことをまとめ、秀光祭で発表しました。その時は、多くの保護者の方や在校生に来ていただくことができ、とても良い経験になりました。
 
 日常生活を振り返ると、何気ないことで盛り上がった休み時間、熱い議論を交わしたグループ学習、お互いを高めあった放課後学習など、どの瞬間を切り取っても、一つ一つが私たちの人生において大切な思い出となりました。普段の騒がしい毎日こそが、一番楽しく、一番名残惜しいものであったことに、卒業を迎える今、やっと気づかされました。このあたりまえの日常が終わってしまうと思うと、とても寂しい気持ちでいっぱいです。しかし、私たちが作り上げた絆は離れていてもつながっていることでしょう。
 
 そんな騒がしい毎日、個性あふれる私たち一人ひとりに向き合い、常に深い愛情を注いでくださった先生方、本当にありがとうございました。特に今年は理系文系の他に、IBDPの授業が始まり、新しいことも多くあったと思いますが、生徒に寄り添い、親身になって最後まで面倒を見てくださいました。新型コロナウィルスの影響で例年に比べると登校できる時間は限られていましたが、オンライン授業やクラッシーを利用して様々な形でサポートをしてくださった先生方の存在は、とても心強かったです。
 
 また、常に温かく見守り私たちを応援してくれた家族。海外研修から帰ってきたときには、遅い時間にも関わらず私たちを待っていてくれました。たくさんの経験を積んでこられたのも、家族の支えがあったからこそです。卒業を迎える今、感謝の気持ちでいっぱいです。
 
 今年度は、首相の交代、アメリカ大統領の交代など様々な変化の年でありました。また、新型コロナウィルスが、今なお猛威を振るい、新しい生活様式への柔軟な対応が求められています。このように、日々移り変わる世界で、私たちは高校で身につけたグローバルな視点や思考力、対応力を生かし、これからの世界を創り上げる人材になってゆきたいです。
 
 最後になりましたが、仙台育英学園の益々のご発展と、校長先生をはじめ、諸先生方、そして在校生の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。