2021年4月開校

お知らせ

学校法人仙台育英学園 秀光中学校 開校式

新生 秀光中学校の誕生と
宮城野校舎の復興を祝って

 2021年4月6日、秀光中学校の開校式が本校宮城野校舎ゼルコバホールで執り行われました。 式には今年度秀光中学校2・3年生になった生徒たちと先生方も参列しました。

学園の長い歴史が秀光中学校の“礎”に

 加藤雄彦校長先生は式辞で、秀光を中心とした本学園の歴史に触れられました。その中で秀光中学校が国際バカロレア(IB)MYPを持続的に展開する教育内容だと紹介されながら、新たに設置された秀光中学校には、大正11年に開校した旧制仙台育英中学校をはじめとする学園の長い歴史が“礎”として息づいていることを話されました。
 そして以前に、東日本大震災で被害を受けた宮城野校舎の完全な復活時期を卒業生に問われた際、”宮城野校舎に新たなケヤキが植樹され、みなさんの成長を見届けるようになった時”だと話されたことに触れ、「今まさにその時を迎えました。みなさんの温かいご支援とご理解により宮城野校舎が見事に復興し、そして同時に秀光中学校が誕生したということをみなさんと祝いながら、式辞といたします」と締めくくられました。

秀光生としての誇り高い学びを願って

 またご来賓の父母教師会の小山博史会長より「秀光中学校としてここで学ぶ皆さんは、ますます可能性が広がり、ご自分の夢や希望をふくらませるチャンスです。父母教師会は皆さんひとり一人が秀光生として誇り高く学ばれることを願っております」とご挨拶をいただきました。続いて校長先生から秀光中学校の校旗がお披露目され、秀光中学校校長室長である加藤聖一先生に授与されました。
 本学園の創立時から続く伝統と歴史を引き継ぎながら、国際バカロレアMYPを展開する新生秀光中学校として、新たな始まりの日となりました。
 

校長先生からの式辞

 今日から秀光中学校2,3年生の皆さんは登校となりました。新型コロナウイルスの感染拡大により、宮城県には国からまん延防止等重点措置がとられて、幾分か皆さんも緊張気味で登校されているのではないかと心配していました。しかし皆さんたちの様子を垣間見て、また先生方からもみんな元気に登校しているという話を伺い、安心して今日の開校式を迎えることができました。これはみなさんたちもそうですし、お家のみなさん方が非常によくお考えいただいて、ここまでご指導いただいたおかげだと感謝しております。
 
 今日は秀光に関わることを中心にお話ししたいと思います。平成9年6月に中央教育審議会第2次答申で、教育制度の複線化構造を進める観点から、従来の画一的なシステムを柔軟なものにすることが提言されました。これに伴い、「学校教育法等の一部を改正する法律」が平成10年6月に成立し、平成11年4月から中高一貫教育を導入することが可能となりました。
 この文部科学省の提唱する中高一貫教育推進に伴い、仙台育英学園では中高一貫教育の導入を図るために、平成11年4月から仙台育英学園高等学校に仙台育英学園秀光中学校の卒業生を受け入れるための「秀光コース」を開設し、いわゆる併設型後期課程を設置することになりました。
 さらにその後、平成14年度には1つの学校として6年間の一貫した教育を行う中等教育学校への発展的変換が認可され、平成15年3月末に仙台育英学園秀光中学校を閉校し、その年の4月から東北で初めて、全国で10番目の中等教育学校である秀光中等教育学校が誕生した経緯があります。
 
 令和3年4月、学校法人仙台育英学園が設置する新たな「秀光中学校」。皆さんたちが在籍しているこの学校には、平成8年に開校した仙台育英学園秀光中学校の復元ととらえるには教育内容があまりにも異なり、国際バカロレアが認定する「IBMYP」を持続的に展開する学校へと変貌しています。しかしながら、新たに開校された秀光中学校の礎となっているのは、大正11年に開校した旧制仙台育英中学校、そして太平洋戦争後の学制改革に伴い昭和23年に新制仙台育英学園高等学校と同時に併設された新制仙台育英中学校になります。
 
 すなわち、創立者加藤利吉先生が創立以来唱えてきた「至誠・質実剛健・自治進取」は、それを受け継ぐ若者たちの育成を通じて、東北地方の発展に期するという思いと、世界の平和を希求する姿勢を貫きながら学園の自治を遵守するための進取の気性を常に持ち続けていかなければならないということにつきます。
 
 創立111周年を記念として出版した「仙台育英学園史」の巻頭言には、「魅力的な内容で人々に関心を抱いてもらえるアイデアを産出し、学園機能を効率的・能動的に発揮させ、創造的な学校を築き上げていくことが(東日本大震災からの)東北復興に欠かせない」という言葉と重なってくると考えています。
 
 仙台育英学園宮城野校舎は東日本大震災から10年を迎える令和3年春、学園を愛する多くの人々の力をお借りして、見事に復興してきました。秀光の卒業生の集まりである「欅の会」において、卒業生から「校長先生、この宮城野校舎はいつ完全に復活するのでしょうか?」という質問を受けました。私は「宮城野校舎に新たなケヤキが植樹され、みなさんの成長を見届けるようになった時ですよ」とお答えしました。
 今まさにその時を迎えました。みなさんの温かいご支援とご理解により宮城野校舎が見事に復興し、そして同時に秀光中学校が誕生したということをみなさんと祝いながら、式辞といたします。