2021年4月開校

お知らせ

第16回卒業証書授与式 答辞全文

 冬の寒さの中にも、力強い命の芽吹きが感じられるこの季節。私たち秀光中等教育学校 第18期生は、卒業の日を迎えました。

 本日は、たくさんのご来賓の方々のご臨席を賜り、我々卒業生のために、厳粛な中にも心温まる秀光中等教育学校卒業証書授与式を挙行して頂き、卒業生一同、心より御礼申し上げます。
 先ほどは校長先生のご式辞をはじめとして、父母教師会会長様のお祝いのお言葉、在校生代表である小椋さんの心のこもった送辞を頂き、我々卒業生は、来たる未来に向けて背中を押される思いです。
 何度も歌った「自由への賛歌」。式を終えた後、先輩方と別れを惜しんで涙したこと。6年間のこの日の思い出がよみがえります。そして今日、私たちもついに送られる側となりました。

 これまでの歩みを振り返ると、それは多くの方々の支えがあって、今の私たちがあるのだと気づかされます。
 今から6年前、ここゼルコバホールで行われた初めての秀光中等教育学校の入学式。真新しい校舎、ぶかぶかの制服、新しい仲間たち、期待と不安を抱きながら、私たちの秀光生活が始まりました。

 入学してからは多くの学校行事を経験してきました。スポーツチャレンジ、球技大会、グリーンスクール、スノースクール、秀光祭、合唱コンクール、どれもその一つひとつに思い出がぎっしりと詰まっています。
中でも毎年行われる合唱コンクール。最優秀賞を目指し、練習に励んできました。ホワイトボードには合唱コンクールまでのカウントダウンが書かれ、気づけば合唱曲を口ずさんでいる、そんな雰囲気が好きでした。時にはうまくクラスがまとまらず険悪な雰囲気になることもありましたが、全員の歌声が一つのハーモニーになった時の嬉しさ、全てが懐かしく胸を熱くする思い出です。

 そして私たちは二度の海外研修を経験しました。2年生の時のハワイ研修。初めての海外研修で、自分の意思を言葉で伝えることが思った以上に難しいと感じました。さらに、4年生の時のニューヨーク研修。ハワイ以上に日本語が通じない中、アメリカの他国の文化や価値観を受け入れ、尊重する風土に感銘を受けました。これから世界で活躍できる人材となるためには、他の文化を尊重する心、視野を自分の世界で固定せず、多面的に物事を見る姿勢が必要なのだと実感し、以前、校長先生が海外研修の重要性をお話しされていた、その意味が少しわかったような気がしました。様々な行事は私たち18期生を強く、たくましく成長させてくれました。

 日常を振り返ってみると、前期課程の3年間はとにかく話題の絶えない、にぎやかな毎日でした。そして迎えた前期課程修了式。1年生から共に過ごしてきた仲間が、自らの夢を叶えるため、仙台育英学園高等学校への進学を決め、友人との別れに、3年間の様々なことが思い出され、寂しい気持ちでいっぱいでした。そして、少し人数が減って、教室の中が殺風景に感じた4年生。そこに留学生の仲間が加わり、改めて、もう中学生ではないと気持ちを新たにしました。5年生になり、自分の夢や目標を模索する日々。最後の研修である京都研修を18期生の仲間と過ごしていると、改めて、一緒にいるとなんて楽しいんだろう、5年間共に過ごしてきてよかったと心から思いました。そして、6年生、受験へのプレッシャーで息が詰まるような気持ちでした。模擬試験を受けるたび、その結果に一喜一憂し、自分の希望する進路が達成できるのかと不安でいっぱいでした。それでも、いつものように学校に来て、いつもの教室で、いつものように友達と話していると、その一瞬だけでも気持ちが和らぎました。

 私が見てきた18期生は、真っすぐで、思いやりがあって、真っすぐすぎるがゆえにお互いに一歩も譲らず、衝突してしまう。しかし、一つの喧嘩を乗り越えるたびに、お互いを理解しあい、絆が強くなっていく、そんな仲間たちでした。受験学年となり、それぞれが必死に机に向かっている姿、お互いに思いやり、何を言うでもなくそっと見守っている姿、そんな仲間たちの姿を見ると、6年間、たくさんぶつかり合い、話し合い、理解しあってきた18期生の絆の強さを感じました。

 また、幼く、自分の感情をありのままにさらけ出す私たちを、広い心で受け止めてくださり、支えてくださった先生方。友人関係で悩んだ時も、自分の夢や目標が定まらず苦しんだ時も、進路を決断する時も常に温かく見守り、適切な助言をくださいました。今の私たちが団結して受験という大きな壁に立ち向かえたのも先生方が本気で私たちに向き合ってくださったからです。

 そして、いつも無条件に愛情を注いでくれた家族。どんな言葉で感謝の気持ちを伝えればいいのか、この思いを表現する言葉が見つかりません。秀光に入学することを応援してくれた両親、入学してからも毎朝早く起きて、朝食を用意し、笑顔で送り出してくれた姿が思い起こされます。両親の応援、支えがあってこそ、一生付き合っていける仲間に出会い、かけがえのない恩師に出会い、これ以上ない環境で様々な経験を積むことができました。本当にありがとう。

 今、日本では2020年に東京オリンピックを控え、様々な公共事業が行われています。そして、就職活動でも大学生は売り手市場と、明るいニュースが聞こえてくるようになりました。しかし、国際、福祉、教育と日本に課されている問題は山積みです。そのような社会に出て、私たちは、若き新戦力となれるよう、これからの時間を決して無駄にせず前進していきたいと思います。
 そして、私たちはいつまでも感謝の気持ちを忘れず、本校の建学の精神を胸に抱き、自分が幸せな人間であることを自覚し、そして他の人を幸せにできる人間になっていきたいと思います。

 最後に、仙台育英学園の一層のご発展と、加藤雄彦校長先生をはじめとする諸先生方、そして在校生の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。


平成31年2月28日
卒業生代表 和賀