2021年4月開校

お知らせ

秀光中等教育学校 第17回卒業証書授与式

秀光で培った経験を糧に、
これからの社会で大きく飛躍していきたい

 
 2月28日(金)に秀光中等教育学校の卒業証書授与式が宮城野校舎で行われました。今年度は新型コロナウイルスの感染予防措置として形態を変更し、6年生の教室で卒業証書が手渡されました。この日卒業を迎えたのは、秀光中等教育学校の前身である秀光中学校の開校より数えて第19期生です。担任の先生に名前を呼ばれて、坂内副校長先生から卒業証書が手渡されたあと、成績優等賞や精皆勤賞など各賞の表彰が行われました。6年間の功績を讃える『秀光グランプリ』には千葉くんが選ばれ、賞状と楯が贈られました。
 また在校生による送辞および卒業生の答辞が、教室内のスクリーンやモニタで全校生徒に中継配信されました。

秀光グランプリ 受賞者 表彰内容

『Global Leader賞』 千葉くん(鶴谷東小出身)

 あなたは在学中、学業と部活動、学校行事に打ち込み、グローバル社会での活躍を目指す学習者としての姿勢を養いました。信念と責任を持って的確に行動し、リーダーシップを発揮して学校行事の成功に尽力しました。4年次のカナダグローバルリーダーシッププログラム研修では、地球温暖化対策に関する現地でのインタビューや、ドリームプロジェクトの代表としてのプレゼンテーションを行い、国際貢献への理解を深めました。5年次のエンパワーメントプログラムでは、海外の生徒との議論を通して、新しい価値観や異文化への理解を深めました。さらに校内の自由研究論文においては、地球温暖化への対策として「ジャイロ式火力発電による日本のエネルギー改革」を執筆し、発電効率と安定性の観点から、火力発電の優位性を論理的に主張したことが評価され、優秀賞を受賞しました。 このように、何事に対しても真摯に挑戦し、建学の精神を体現する業績により本校の発展に貢献したことを讃え、国や地域を超えた「Global Leader」として世界で活躍することを期待し、ここに賞します。

送辞、答辞

在校生からの送辞【一部抜粋】

生徒会会長 秀光コース2年 佐藤さん(多賀城東小出身)

 生徒会や委員会ではリーダーシップを発揮して、後輩をまとめ上げ、誠実に真剣に率先して動く姿は憧れでした。その的確な指示や、後輩を思いやる温かなまなざし、真摯に向き合う姿勢は私たちの良き手本となりました。忙しなく過ぎる日々の中で、先輩方と出会い、同じ学び舎で学べたことが私たちにとって何よりの誇りです。本日より、それぞれの道を歩んでいくと思いますが、その道中は決して一人ではないということを忘れないでください。

卒業生からの答辞

卒業生代表 小椋くん (多賀城東小出身)
 
 東風が吹き、新しい命の芽吹きを感じ始めるこの季節、私たち秀光中等教育学校19期生は卒業の日を迎えました。今から6年前、ゼルコバホールで迎えた入学式。ぶかぶかの制服に身を包み、これから始まる新しい生活への期待と不安を胸に、新しい仲間達と一緒に大きな一歩を踏み出しました。
 
 この6年間で私たちは秀光の多彩な学校行事を通して、数え切れないほどの経験を積んできました。いつもはまとまりがないのに、行事になると人が変わったように団結力を見せる私たち。その力が大いに発揮されるのが球技大会でした。開催の2ヶ月前から準備を始めるといった熱の入りようで、本番が近づくにつれて学年が1つにまとまっていく。そんな雰囲気が私は好きでした。グリーンスクール、スノースクール、球技大会、合唱コンクール、秀光祭…。一つ一つが忘れられない思い出であり、これらの行事を終える度に、私たちの絆はより一層深まっていきました。その中でも4年生の時にカナダ研修を経験したことは、非常に大きな意義がありました。カナダの大自然に囲まれ、私たちはリーダーシップ研修に参加しました。グローバル化が進む今日の社会で活躍できる人材となるために、さまざまな文化を受け入れ尊重する心、固定観念にとらわれずに多角的な視点から物事を考えることの重要性を実感しました。この経験を通してカナダ研修前に校長先生が話してくださった海外研修の意義を身をもって理解することができたように思います。
 
 秀光での行事の締めくくりは京都研修でした。それまでに海外研修を経験してきた私たちは広い視野を持って日本という国を見つめ直すことで、改めて日本の和の文化の奥ゆかしさに魅了されました。特に、1日かけて行われた自由研修では、各グループが別々に行動し知見を広げるとともに、互いの友情を確かめ合うことができました。5年間ともに過ごしてきた仲間たちとの最後の研修旅行はとても充実していて、生涯忘れることのできない思い出となりました。

 そして今年度、最高学年の6年生となり大学受験を迎えました。私たちにのしかかる受験へのプレッシャーに押しつぶされそうになる日々。模擬試験を受ける度にその結果に一喜一憂し、本当に自分の進路が達成できるのか、と不安でいっぱいでした。それでもいつもどおりに登校し、いつものメンバーと他愛のない話で笑い合っている日常が私の心の支えとなっていました。みんなとの思い出を振り返ると、すべてが楽しいばかりの思い出ではありません。うまく思いを伝えられず、悩んだりすれ違いが起きたりすることもありました。ただ、それ以上にクラスメイトと顔を合わせて笑いあっている何気ない日常の思い出がとめどなく溢れてきます。受験学年となった今年度も、それぞれが別々の進路に向けて進んでいこうとする中、互いを思いやり机に向かう姿が私の背中を押してくれました。こうして苦楽を共にしてきた私たちの絆はさらに強くなり、今では互いの気持ちや考えを素直に伝えられるほどになりました。周りからの非難を恐れ、目立つことを避け、周囲に同調していた私に、彼らは自分らしくいていいんだと教えてくれました。そんなかけがえのない、信頼できる仲間と出会えたことは、私の誇りです。
 
 また、私たち1人1人に親身になって接し、広い心で受け止めてくださった先生方。人間関係や進路で悩んでいる私たちにいつも優しく手を差し伸べ、私たちの思いを一番に尊重し、適切な助言をくださいました。放課後には忙しい中、私たちのためにさまざまな講習を開いてくださいました。そんな先生方から、私は大きな夢をいただきました。6年間、私たちが歩み続けることができたのは、先生方が本気で私たちに向き合ってくださったからです。そしてそんな私を温かく見守り、背中を押してくれた家族。母は常に私を気にかけてくれました。素直になれず、行き場のない感情をぶつけてしまったこともありました。そんなときも次の日にはまたいつも通りに接してくれる、そんな母の優しさに私は何度も心を救われました。父はいつでも私がやりたいことをやらせてくれました。好きなことをしなさいと言いながらも、本当は誰よりも心配してくれていました。毎日忙しいにもかかわらず、私が悩んでいるとそっと声をかけて励ましてくれました。そんな父の姿は、今までも、そしてこれからも私の目標です。おはよう、いってらっしゃい、おかえり、おやすみ、そんな当たり前の言葉が私の背中を押してくれました。いつもは素直になれなかったけれど、こうしてかけがえのない仲間と出会い、恩師と出会い、さまざまな経験を積むことができたのも、両親の応援や支えがあったからこそです。本当にありがとう。

 今日、日本では迫る東京オリンピックに向け、通訳案内士、ボランティアガイドの活用や外国人案内所の支援、文化プログラムの準備に向けた関係省庁の連携強化など、海外の方が使いやすい施設や制度などの改革が進んできています。それに伴い、日本文化に対する深い理解はもちろんのこと、コミュニケーション能力や多様な文化を受け入れる柔軟性が求められています。それに加えて日本には医療・福祉・教育などの分野において課題が数多く存在しています。秀光を卒業して、それぞれが自分自身の道に進んでいくとしても、私たちはこのすばらしい学び舎で培った経験を糧に、これからの社会で大きく飛躍できるよう日々精進します。今の私たちがあるのも、私たちと出会い関わってくれたたくさんの方々のおかげです。この感謝を忘れることなく、今度は私たちが誰かに夢や希望をあたえられるような人間になりたいと思います。
 最後に、仙台育英学園の一層のご発展と、加藤雄彦校長先生をはじめとする諸先生方、そして在校生の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。