2021年4月開校

お知らせ

本学園のオンライン授業について

宮城県でも先駆けてオンライン授業を開始

 本学園のオンライン授業については、昨年の10月より準備を始めており、新型コロナウイルス感染症対策のために準備したものではない。しかし、実際には、3月より学校の臨時休校が始まったことから遠隔授業等の準備を推進し、その結果として、本県でも先陣を切り、オンライン授業を行うようになった。その先行事例が新聞記事に掲載されたが、その状況について次に紹介する。
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  • 掲載された新聞記事
    (2020/4/16河北新報朝刊県内版)
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1 オンライン授業開始までの準備について

<教職員の対応>

・昨年10月に、全教職員対象に導入のための説明会を行った。 
・3月上旬にICTに関わる主要な教職員へのSurfaceを配布し、事前研究を開始した。
・3月11日以降、Zoomによる遠隔授業を試行した。
・4月より順次、教職員へのSurfaceの配布を行い、同時にICT推進委員による説明会を行った。4月下旬には全教職員へSurfaceの配布が完了した。また、自宅にインターネットの環境がない教職員にはルーターを配付した。
 

<生徒への対応>

・生徒に対し、4月12日に在宅での通信環境があるかの確認を文書で行い、即時、通信環境のない生徒へルーター、パソコンの貸し出しを行った。
・その貸し出しにより、本学園の生徒全員が、オンライン授業等に参加できる環境を所持することとなった。
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  • 試行時期の日程表
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秀光中等教育学校・本学園高校秀光コースのオンライン授業の取組

秀光中等教育学校・本学園高校秀光コースでは、全生徒がChromebook,OwnPCを所持しているので、本学園の先陣を切って、オンライン授業を行うことができた。その経緯等を紹介する。

4月6日入学式・一日登校
(翌7日より、自宅学習日となる。)
  7日 秀光中教職員の研修会
  8日 秀光で一部オンラインHR・授業の開始・接続テスト
  9日 オンラインHR・授業の試行を行いながら授業を進める。
  13日 中3から高3までオンライン授業を開始し、おおむねHRを9:30から行い、その後、午前中に2~3時間程度の授業を行った。

 5月11日に本学園の一部登校が始まってからは、全学年生徒ともに、通常の授業に戻ったが、県外生徒の係留措置期間中の生徒や欠席生徒について、授業が遅れないようにオンラインで授業を配信することもあった。
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  • Zoomでの授業の一コマ
  • 自宅で学習する様子
 

<オンライン授業実施後の生徒・保護者アンケート調査結果について>

 表のとおり、生徒の8割以上が「満足である」もしくは「おおむね満足である」と回答している。保護者も、ほぼ同様となっている。
〇生徒の感想(一部抜粋)
 「事前に配布されたプリントを準備し、オンライン授業に参加し、参加生徒が積極的に参加し、グループディスカッションもできているので、普段の授業と変わらず理解できた。」
 「授業中にも、パソコンを利用すると、効率よく学習できると、オンライン授業を受けていて思った。」
〇保護者の感想(一部抜粋) 
 「とても大変な状況ですが、いろいろと対応して頂きありがとうございます。」
 「コロナ禍の中、オンラインでも授業が受けられる事を非常にありがたく思っています。」 
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3 他コースのオンライン授業等の取組

(1)特別進学コース「1年・英語の分散登校時のオンライン授業」


 事前に生徒たちにプリント集を渡し、そのプリント集を自宅で生徒たちが予習した上で、オンライン授業に参加し学習させるように工夫した。
 分散登校時には、1学年の各クラスを「通常の授業を受ける班」と「オンライン授業で参加する班」に分けて授業を行っていた。その際に、両方の班の交流を促進させるためにオンライン上で3~4名のグループをつくりグループワークを行わせ、問題を解くための根拠を見つけさせて発表させ、Zoomでの授業効果を高めるように取り組んだ。
 また、授業のまとめの場面では、復習用の説明シートを準備し、そのシートを説明することで本時の授業の理解を高めるように努めた。担当の先生からは、「分散登校だが、両方の班の生徒が普段のように話し合いができるように配慮し取り組ませた。」と話があった。
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  • Surfaceとプリント集
  • QRコードでスムーズに参加
 

(2)外国語コース「留学予定者への日本語演習オンライン授業


 外国語コースには、この4月に、コロナ感染症対策のために来日できていない留学予定者がおり、現在、日本語の授業を週5時間Zoomで行い、さらにスタディサプリを使って、講義の動画配信、ミニテストを実施するなど授業時数分を配信し、授業を進めている。
 下の写真は、日本語演習(文法)の授業で、机のセンターにおかれたSurfaceで、4名のタイの生徒と1名のインドネシアの生徒が参加している。その場にいる3名の生徒は中国からの生徒である。日本語習得のために遠距離でも、楽しくかつ真剣に取り組んでいるのが印象的だった。担当の先生からは、「来日できなくなり心配していましたが、Zoomを使って実際に顔を見て授業ができ、元気な姿を見ることができ、安心しました。」と話があった。
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  • 日本語演習の授業
  • 海外から参加した生徒
 

(3)英進進学コース「タブレットを使った1年・生物基礎の授業」


 英進進学コースでは、1年次生徒全員にタブレットを所有させて授業等で活用させている。
 下の写真は、分散登校時の生物基礎の授業である。教師が準備した資料を生徒が自分のタブレットで確認したり、専用のアプリを利用して、生徒が書いた記述式問題の解答をクラス全員で共有したりし学習を進めていた。
 担当の先生からは、「これからますます活用ニーズが高まると思う。生徒が自分で振り返りたいときにいつでも、その学習内容を確認できるので、復習にも役立つと思う。」との話があった。
 今回は、生物基礎の授業をピックアップしたが、他の教科でも、多くの利用を図って学習効率を高めるように英進進学コース全体で取り組んでいる。もちろん、これまでの臨時休業中、一部登校などの際にも、活用が図られた。
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  • 生物基礎の授業
  • タブレット活用中
 

4 教職員Surface使用状況調査から(回答者数 274名)

・約6割の教職員が毎日4時間以上Surfaceを活用している。また、他教職員もおおむね2時間以上活用している。
・教職員のSurfaceの主な利用法は、Zoomを使ってのオンラインHR・授業、Classiを使っての生徒・保護者への連絡、Teamsを使っての校内打ち合わせ、各種教材研究などを行っている。
・Surfaceを使って、校務・業務効率が上がったと回答した教職員が88.7%となっており、ほとんどの教職員が、その有効性を感じている。
 

5 まとめ

・臨時休業時(4月7日~5月10日)においては、日が進むにつれてオンライン授業を安定して行うようになった。その中で、教職員が在宅で授業ができたことは、教職員の感染予防にもつながった。
・一部登校時(5月11日~同24日)においては、登校しない学年・学級でZoom によるオンラインHR・授業を行い、プリント学習などの対応も含め、学習の遅れをなくすように努めた。
・分散登校時(5月25日~6月21日)においては、各コースの1,2年生が、学級をA班・B班に分け、1週間ごとに登校で授業を受ける班と自宅等でZoom を利用して受ける班に分け、同様の進度でHR・授業を行った。
・6月22日以降は、一斉登校になり通常の授業を受けることができるようになったが、心配されているコロナウイルスの第二波に備え、通信面の環境の整備、併修制度と単元計画について等を生徒・保護者への説明を行い、学習面への不安を最小限にできるように対応したい。そのためにも、本学園では、6月現在、教職員のテレワーク勤務の制度化を進めている。
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  • 分散登校時のオンライン授業
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