2021年4月開校

お知らせ

第1回サイエンス・コ・ラボ 2019

日常の空気の中にある放射線を
手作りの霧箱で観察しました

『霧箱を用いた自然放射線の観察』

日時 2019年6月1日(土)
場所 宮城野校舎 大会議室
参加生徒 仙台育英 特別進学コース1・2・3年および秀光コース1・2年生(希望者)
講師 東北大学 高度教養教育・学生支援機構
関根勉 教授

 
 東北大学をはじめとする専門の先生方からの指導を受けることができる、仙台育英 特進と秀光による理科の実験講座「サイエンス・コ・ラボ」。全7回実施されています。第1回目のテーマは『霧箱を用いた自然放射線の観察』。教授である関根勉先生にご指導いただき、放射線とはどういうものなのかを学びます。さらに2人1組で班になって、手のひらサイズの霧箱作りをおこないました。また昨年に続いて大変多くの生徒から参加希望があったため、いつもの化学実験室ではなく大会議室で開催されました。

実験の様子

  •  
今回の実験のポイント

第1回「霧箱を用いた自然放射線の観察」

 自然界に存在する物質の中には、放射線を出しているものがあります。放射線を出す能力を「放射能」とよびます。この実験講座は、放射線の飛跡を各々が製作した『霧箱』で観察してもらうものです。
 
 霧箱は放射線の飛跡を観察するポピュラーな装置で、市販品は高価ですがその構造は単純なものです。今回も昨年同様受講生が多かったため、大学ですでに製作してある簡易霧箱を準備していただきました。作業は例年より簡略となり、霧箱内部のスポンジにエタノールを染み込ませた後ラップで封をして、大気中の放射性物質を吸着させた「ろ紙」 の切れ端を放射線源として内部にセットし、ドライアイスで箱を冷やします。しばらくすると、線源から放射線であるアルファ線(放射性物質の原子核が壊れるときに飛び出してくる核の破片=ヘリウム原子核の流れ)、ベータ線(壊れた放射性物質の原子核が安定するために核の中性子から出てくる高速の電子)それぞれの飛んでいく様子がエタノールのコロイド粒子からなる飛行機雲となって、懐中電灯で照らすライトの中に浮かび上がります。また放射線(アルファ線)がろ紙の反対側からでないことで、紙1枚で遮蔽される様子も確認できました。初めての光景に神秘的な感じを覚えた生徒も少なくなかったことでしょう。46名の生徒全員が手元での観察に成功し、時を忘れ見とれていた様子が印象的でした。さらに大学から持ち込んでいただいた大型の霧箱に、部屋の空気を入れただけで線源を特別に入れてないのにもかかわらず、自然放射線が大型霧箱内の至る所で飛び交う様子が観察されました。私たちは普段からこうした放射線を浴びているのだということを、まさに“観て"知ることができました。
 
 その後、班ごとに箱に入った多数のサイコロをよく振った後、出た特定の目の個数を数えそれを取り出してから残りのサイコロを振る、これを繰り返すことで、放射線がどのような法則に従って次第に減少していくのかをグラフを描きながら考察しました。
 
 特に震災後、福島の原発事故による被災の様子を報道などで知るにつけ、これまで漠然と危険なものだと思っていた放射線について、今回もかなり専門的な知識を得ることができた非常に有意義で、かつ興味深い実験講座となりました。

生徒たちのレポート

  •  
  • ▲レポート01
  • ▲レポート02
  • ▲レポート03
  • ▲レポート04
  • ▲レポート05
  • ▲レポート06
  • ▲レポート07
  • ▲レポート08
  • ▲レポート09
  • ▲レポート10
  • 画像をクリックすると拡大表示されます。

【いままでのサイエンス・コ・ラボ】