2021年4月開校

お知らせ

秀光 ユネスコスクール平和教育プログラムの一環として、マリールイーズさんによる特別講演会が行われました

平和とは何か、真剣に考える
大切な時間をいただきました

 7月25日(月)、ユネスコスクールの学習活動、国際理解教育の一環として特別講演会が本校宮城野校舎ゼルコバホールで行われました。今回、「NPO法人ルワンダの教育を考える会」の永遠瑠(とわり)マリールイーズさんを講師としてお迎えし、『大切なもの 命・平和・教育 〜子どもたちの未来のために〜』というテーマで話していただきました。会場に集まったのは、秀光中学校1〜3年生の生徒と、仙台育英学園高等学校秀光コース1年生の生徒です。

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 マリールイーズさんは日本に帰化し、現在福島県に在住しているルワンダ人女性です。1994年に勃発したルワンダの内戦を経験しました。内戦下にあったルワンダで、当時のルワンダ大統領が暗殺された翌日から部族同士の争いが激化。わずか3カ月間で、およそ50万人から100万人が虐殺されたと言われています。

 はじめにルワンダ共和国という国について紹介してくれました。「今でもルワンダをインターネットで検索すると、28年前の大虐殺のことが出てきます。それが原因でルワンダが怖い国だと思ってしまう人がいるのではないかと思うと悲しいです」と、“ルワンダの素敵なところ”をたくさん話してくれました。アフリカ大陸の真ん中に位置している国で、母国語のルワンダ語に加えて英語・フランス語・スワヒリ語と多くの言語を使っているため、言語を勉強したい人にオススメであること、穏やかな気温で、自然が素晴らしく動物が好きな人はぜひ訪れてほしいことなどが話されました。

 1993年、マリールイーズさんは福島県で青年海外協力隊カウンターパートナーとして10カ月間、洋裁の研修を受けました。ルワンダ大虐殺が始まった日は、マリールイーズさんが日本での研修を終え、ルワンダに帰国した2ヶ月後でした。夫と3人の子どもと一緒に幸せに暮らしていたといいます。「その日は本当に、今日のように普通の日でした」と、振り返ります。「夫の単身赴任中、子どもと三人で食卓を囲んでいたときです。ミサイルの落ちる恐ろしい音が聞こえてきて停電に。その日からすっかり日常が変わってしまいました」と話すマリールイーズさん。その後、子ども3人を連れて難民キャンプに逃れた後、日本で研修生をしていたころの友人らの尽力により、家族で日本に再来日しました。

 その後マリールイーズさんは、2000年に「NPO法人ルワンダの教育を考える会」を設立。現地に学校を作って、子供たちを支援しています。スライドに写真を映して、マリールイーズさんが支援を行う中で出会ったばかりの頃の子供たちの写真と、支援を続けた後の笑顔の写真を紹介してくれました。そして実体験をもとに、夢を持つことの大切さ、人から大切なものを奪い、何も生み出さない戦争は絶対にしてはならないということを、生徒たちに切々と語ってくださいました。

 講演を聞いた後、高校1年生はグループセッションを行いました。本日聞いた講演内容をもとに、マリールイーズさんに直接質問をしたりしながら、自分たちなりの考えをさらに深めていました。

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