2021年4月開校

お知らせ

秀光中3年髙原さんが宮城県中学校弁論大会で優秀賞を受賞!

県内の各地区を勝ち抜いた
14名の中から優秀賞に選ばれました!

 

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 11月13日(木)に宮城県中学校弁論大会が柳生中学校で行われました。当日は、県内の各地区を勝ち抜いた14名の代表弁士が自分の思いを発表しました。
 仙台市代表として秀光中学校3年生の髙原さんが出場し、優秀賞を受賞しました。(最優秀賞1名、優秀賞4名)。髙原さんの作品をご紹介します。
 

演題「憧れと情熱の化学反応」

 

 「教師になりたい。」私の小学生の頃からの大きな夢です。中学生になった今では「先生になるためには?」、「教育学部」、「世界の様々な教育方法」など将来の夢を叶えるための検索結果が私のスマホの中に溢れかえっています。しかし、その夢は将来叶えられなくなるかもしれません。
 
 いつもと同じように将来の仕事について調べていると、こんな記事を見つけました。「AIによって無くなる将来の仕事ランキング」。そこには「教師」という文字がありました。小学生の頃から思い描いていた夢が暗く閉ざされたような気がしました。と同時に、この「教師」という夢に向かって突き進んでよいのか不安になりました。
 記事を読み進めていると、 日本では少子高齢化による働き手不足に対応するため、【AIを活用して業務の効率化を図ることが必須である】と書かれていました。しかし、私が小学生のころパソコンで出された宿題は、解答ページに進むと正解した問題に解説がなく、学びが浅いと感じていました。これでは思考力や想像力が育たなくなってしまうのではないでしょうか。効率化できれば、それで良いのでしょうか? これが「本当に未来を担う教育のあり方」なのでしょうか? 
 
 私は今まで一つのことを極めたという経験が一度もありません。私には向いていない、全然うまくならないと感じるとすぐに諦めてしまっていました。 周りの友達には英語がネイティブレベルで話せる人、絵が驚くほど上手な人、けん玉やライフル射撃が得意な人がいます。憧れる反面、自分には何の可能性も無いんだと思い悩んだ時期がありました。そのことを家族に相談すると、「逆にいろんなことにチャレンジするのを極めてみたら?」と言われました。 
 
 そこで私はアドバイスに従い、校内弁論大会、生徒会、学校行事で参加したカナダでの研修会や学生起業セミナーなど、いろいろなことに挑戦しました。さまざまな経験や挑戦は私の可能性を広げ、新しい視点を与えてくれました。その積み重ねが、私自身を大きく成長させ、自信へとつながりました。
 
 私には憧れの先生がいます。その先生は授業中に、理科の偉人たちの豆知識や先生の人生経験をおもしろく話してくれたり、趣味の落語を披露してくれたりするユーモアあふれる先生です。生徒を惹きつける小話を挟みながらも、授業の内容はしっかり教える。まさに私が理想とする先生像です。
 
 昨年度、その先生から声をかけられ、私はオープンキャンパスで理科の先生の代わりに授業をすることになりました。私にとって夢に一歩前進できた出来事でした。オープンキャンパスに参加した児童と私が授業を通してつながり、可能性が広がったように感じました。
 「楽しかったです!!」「かっこよかったです!」という参加者からの感想を聞き、このつながりは人だからこそ持てたものだと気付きました。教育は人と人との関わりの中で育まれるものです。このことから、効率ばかりを求めていては可能性を自信に変えることはできないということに気づきました。一見すると無駄、遠回りと思われるかもしれないことに挑戦することで未知の可能性を見つけるチャンスがあるのだと思います。 可能性というのはそう簡単に見つけられるものではありません。私がそうだったように、見つけられたとしても1人で広げることは出来ません。そして、可能性を自信に変えるためにはたくさんの失敗を繰り返し、その度に諦めない強い心が必要です。だからこそ私は子どもたちの可能性を見つけ、広げる手伝いをしたい。そして、生徒に自信を持たせる先生になりたい。私の情熱はAIにとって代わることはできません。 
 
 目先の効率ばかりを追い求めず、たくさんのチャレンジの中から自分の未知の可能性を地道に見つけていくことこそ、これからの社会を生きる子どもたちに必要な力なのではないでしょうか。