広域通信制課程

ILC青森 令和2年度第19回後期卒業式

通信制課程で学んだことを胸に
これからの人生をしっかりと歩んでいきます

 3月3日(水)、仙台育英学園高等学校広域通信制課程ILC青森の令和2年度第19回後期卒業式が八戸グランドホテルで行われました。卒業生は67名。今回は新型コロナウイルスの感染拡大予防対策を徹底した上で進行され、卒業生一人ひとりに、高校卒業資格として卒業証書が手渡されました。
 

卒業生代表答辞【全文】

 春の足音が確実に近づいているのを感じる今日、卒業の日を迎えられたことを今しみじみとかみしめています。

 今から一年半前、私は仙台育英学園高等学校ILC青森へ転入しました。ILC青森に転入するまでの期間、色々なことがありました。友人関係、思い通りにできない部活動、下がっていく成績……。これらが重なって、段々と学校に行けなくなりました。そして、母との衝突。

 でも、そんな時、通信制というものがあることを知り、私は、青森県の通信制の高校を探し始めました。青森や八戸の通信制を見学できるところは全て見学しに行き、文化祭などにも行ってみました。その中で、ILC青森は、自分のペース、選択で授業を進めることができ、学校に来る日も自分で決められ、自由参加型の行事などもあり、私にはぴったりの学校だと思いました。母は一緒に見学には来てくましたが、やはり、心配は尽きないようで、最後まで、現実の厳しさ、難しさを訴えかけてくれました。私自身、世間一般から外れてしまう恐怖や不安などはありましたが、学校にも行かず家にじっといるよりはと転校を決めました。前の高校を辞めた日の、少し悔しそうな、泣きそうな母の顔はいつまでも忘れないと思います。その日、私は決心しました。これ以上家族に迷惑をかけないように、学費、交通費、大学進学のお金を自分でしっかり貯め、高校卒業、大学進学も絶対に諦めないと。自分で決めたことだから、自分でやりきろうと。

 11月の終わり、初めて登校しました。全部自分でやると決めた以上、送り迎えを頼むのではなく、電車とバスを乗り継ぎ2時間かけて学校に通いました。何もわからず教室に入り、緊張しながらのスタートでした。自分のとっている授業がいつあるか、レポートの提出期限はいつかなどを自ら確認しなければならず、漫然と過ぎていく全日制の高校の学び方とは全く違っていました。しかし、自分で自分の生活を組み立てる楽しさもありました。

 ILC青森での学校生活を始めると同時に、アルバイトも始めました。アルバイトは人生初の経験だったので大変でしたが、接客を通して、相手に言葉で伝えることの難しさや楽しさを知ることができ、自信になりました。ただ何となく学校に通っているだけでは得ることのできない貴重な経験でした。

 また、趣味に使える時間も増え、夢中になれることを探してみました。写真を撮りに行ったり、韓国語教室に通ったり、映画をたくさん観たりしました。その中で、一番夢中になれたことが、映画やアニメ、ミュージックビデオなどの映像作品を見ることでした。映像を見ているときはその世界観に入ることができ、時間があっという間に過ぎ、私は映像の世界に魅了されました。そして、映像を作る仕事がしたいと強く思うようになりました。

 映像の制作や、表現の仕方を学ぶことができる学校を探していたところ、私の想いを誰よりも知っている母が、東北芸術工科大学を見つけてくれ、受験を決めました。試験には、ショートストーリー制作、面接、小論文がありました。なんとしてでも合格するために、夏の休み中にも、学校に週2回行き、ストーリーや小論文の添削、面接練習を繰り返しました。自分の表現したいことを言葉にするというのは、とても難しく、うまくできない自分に落ち込むこともありましたが、先生方は支えてくださいました。コロナ禍の中で、オープンキャンパスが中止になったり、ストーリーの試験がなくなったり、面接もリモートに変わったりと、変更だらけの大学入試でしたが、先生方や母に支えられて念願の大学に合格することができました。

 私はILC青森に来て本当によかったと思っています。自分で決めたことを自分で責任をもって進めていくことができた今、ILC青森に転入学を決めた時の不安でいっぱいだった1年半前の自分に、「その選択は間違ってないよ」と伝えてあげたい気持ちです。

 人には合う環境、合わない環境があります。合わない時には環境や、やり方を変えてみて、再チャレンジすることも一つの手段だと知りました。自分が壊れてしまうまでじっと我慢するより、世間一般と違っても、自分を大切に自分の道を進むほうがいいと思います。これからもこの学校へ来て学んだこと、経験したことを最大限に生かしながら、もっと成長して行きます。

 最後になりましたが、今まで見守っていて下さった先生方、本当にありがとうございました。そして、たくさん心配をかけた家族には、これから私自身で決めたことを、生き生きとやり遂げていくことで、恩返しをしたいと思います。私たち67名ここで学んだことを胸にこれからの人生をしっかりと歩んでいくことをお誓いしてお別れの言葉と致します。


令和3年3月3日
卒業生代表