〈国際バカロレア ディプロマプログラム〉IBDP受講生からのメッセージ

【IBDP受講者への8つの質問】
質問1
DPに挑戦してみようと思ったきっかけは?質問2
プログラムがスター卜してみてー
想像していたとおり? あるいは、想像とは違った?質問3
特に興味深く取り組めたコア科目は?質問4
2 年間の受講で苦労したこと、辛かったこと。質問5
あなた自身、「ここが変わった」「ここが成長した」
と思えることは?質問6
DPに挑戦して「これがいちばんの収穫! 」といえることは?質問7
これからのあなたの未来は? (夢、目標、展望-)質問8
最後に、これからDPに挑戦しようかと考えている(あるいは跨躍っている)
後輩へのメッセージを。
秀光コース
筑波大学 人間学群心理学類に合格

質問1「きっかけ」
中学校でのMYPの授業において、答えが一つに定められていない事象について自由に考えるという授業形態が非常に興味深く、楽しかったことから、DPに進んでさらに学びを深めたいと思ったことがきっかけです。
質問2「スタートして」
授業内容や課題の量など、おおよそ想像通りでしたが、良い意味で「勉強らしさ」が少なかったように感じます。詰め込み型の授業が少ない分、自分が知りたいと思ったことについて自分なりのアプローチで学ぶことができ、勉強しているというよりも探究しているという感覚に近かったです。
質問3「興味深く取り組んだ科目」
これまで考えたこともないような事柄について、様々な視点から深く思考するというのは新鮮で面白かったです。特に、TOK展示では自分の好きな事物について自由に考えを深めることができたため、好きな物の新たな一面が見えるような感覚が興味深かったです。
質問4「苦労」
興味を持って研究できる科目はそれほど苦痛ではありませんでしたが、苦手な科目や十分な知識を持っていない領域においては、テーマの決定や進め方において苦労しました。中でも、MusicのIAは編曲や作曲など初めてのことばかりで、最も時間と労力を要しました。
質問5「変化・成長」
思考力と表現力が大幅に向上しました。全ての科目で常に深い思考を求められてきたため、自分の考えを新たな角度から批判的に見つめることができるようになりました。また、論述課題やプレゼンテーションを重ねる中で、自分の考えや自分自身を効果的に表現できるようになったと感じています。
質問6「収穫」
DPでは課題やEEで躓くことも多く、思うように進められないことばかりでしたが、客観的に自分を見ることで現状と改善点を考えられるようになり、以前よりも早く軌道修正ができるようになりました。
質問7「夢・展望」
私は心理学について関心があり、カウンセリング的な視点や脳科学的な視点など、知りたいことが数えきれないほど存在するので、大学でとことん勉強したいと思っています。その学びがどこに着地するかはわかりませんが、この先も自分の「知りたい」という気持ちを大切にして、生涯を通して新たな学びに触れていたいです。
質問8「後輩へ」
私にとって、DPでの2年間は非常に充実していて楽しいものであり、大きな成長につながりました。しかし、DPでしか得られないもの、DPでは得られないものがあり、増える選択肢となくなる選択肢があります。DPは日本のカリキュラムではないからこそ、自分が学びたいこと、身につけたい力、行きたい大学など、様々な観点から進路を考え、その道に進んだときにどんな選択肢が得られるか、どんな選択肢がなくなるのかということを考えてみてください。DPは大変なプログラムではありますが、ここでの経験は必ず自分の糧になります。皆さんが後悔のない選択をできるよう、応援しています。
*他に日本女子大学に合格東京外国語大学 言語文化学部に合格

質問1「きっかけ」
将来的に海外でも活躍できるような英語力や思考力などを身につけたかったためDPに挑戦しようと思いました。
質問2「スタートして」
DPがスタートする前は、課題が多く睡眠時間が確保できないのではないかということや、カリキュラムが日本のものと異なっているので受験できる大学が限られてしまうのではないかということを心配していました。
課題が多く忙しいという点は想像どおりでしたが、タスク管理がスムーズにできるようになれば睡眠時間は問題なく確保することができました。また、人数制限公募やIB入試を受験する際にDPを通じて得た経験や身につけたスキルを強みとしてアピールすることができました。2校の国公立大学から合格をいただくことができたのは、DPに挑戦したことで進路選択の幅を広げることができたからだと思っています。この点もDPがスタートする前の想像とは異なっていました。
質問3「興味深く取り組んだ科目」
CASです。自身の関心や経験をもとにプロジェクトを企画し、18ヶ月間で中国語学習や写真集の制作など16個の活動に取り組みました。その中で特に印象に残っているのは、インドネシアの高校生を対象に開催した日本語教室です。現地校の先生やクラスメイトとの協働、日本語や日本文化を伝える活動を通じて、コミュニケーション力やタイムマネジメントなどのスキルを身につけるとともに日本への理解を深めることができました。
質問4「苦労」
HistoryのIAです。小学生の頃から歴史が苦手だったので、興味を持って取り組めるテーマがなかなか定められなかったり、基本的な知識が身についておらず論文や本を読んでも内容を理解できなかったりして、テーマ設定から執筆まで苦労しました。苦手意識から後回しにしすぎて提出期限ぎりぎりまで手をつけていなかったこともあり、追い込まれながらHistoryのIAを書いている期間が2年間で最も辛かったです。
質問5「変化・成長」
学力の面では、英語力が向上したと思います。高校1年生までの英語の授業では単語や文法を学んでいましたが、DPでは英語を使って学ぶ機会が多くあるため、文法書を読み込んだり単語テストをしたりしなくても自然と英語を使うことに慣れ、4技能をバランスよく向上させることができました。
学力以外の面では、自己管理力が身につきました。各科目の課題、EEやIAの執筆、CASの企画書作成や振り返り、大学入試に向けた準備など常に複数のタスクを抱えていたので、1つ1つ丁寧にこなす余裕はほとんどなく、優先順位や効率を意識した時間管理や健康管理が必要でした。部活動にも所属していて大会と考査が重なることなどもありましたが、先を見越して計画を立てて目の前のことに集中して取り組むことで自己管理力が身につき、難しいと言われていた部活動とDPの両立を実現させながらDiplomaを取得することができました。
質問6「収穫」
自分の興味・関心のあることを明確にできたことです。DPではEEに加えてほとんどの科目の内部評価で研究に取り組む必要があり、2年間を通じて数学、化学、物理、歴史の4科目で合計5つの研究に取り組みました。数学では、フィギュアスケートのジャンプをモデル化し微分・積分を用いて分析する研究と、幸福度と保健・医療分野の関係を統計学を用いて分析する研究の2つに取り組みました。研究を通じて、数学が身近な物事の分析に欠かせないツールであることを実感するとともに研究の楽しさを体験することができました。DPを始める前は、なんとなく難しそうだから研究はやりたくないと思っていましたが、自分でやってみたことでイメージが変わり大学でも領域横断型の研究に取り組んでみたいと思うようになりました。DPで学んでいなければ高校生活で研究に取り組むことはなかったので、DPを通じて研究に挑戦し大学でやりたいことを見つけることができたのがいちばんの収穫だといえると思います。
質問7「夢・展望」
大学では英語や専攻語の習得に加えて、世界の言語や文化、社会などへの理解を深めていきたいです。そのために座学で知識を身につけるだけでなく、自分のコンフォートゾーンを抜け出して留学やボランティアなど多くの人と関わることができる環境にも積極的に身を置き、挑戦していきたいです。
大学卒業後は就職か進学かは決めていませんが、DPで身につけたコミュニケーション力や自己管理力などを活かして幅広い視野と教養を持った人になりたいです。
質問8「後輩へ」
日本国内のIB認定校の数は徐々に増えてきていますが、DPに取り組んでいる人はまだまだ少数派です。他の多くの人と違うことに挑戦するのは勇気がいることで、前例が少ないため選択にリスクが伴うこともあるかもしれません。しかし、実際にDPを経験してみて、詰め込む勉強では身につけられない将来役に立つ力を多く身につけて自分の将来の可能性を広げることができたため、挑戦して本当に良かったと思っています。インターネット上にある日本語のIBについての情報は少なく、忙しさや難しさなど不安に思っている人もいるかもしれませんが、DP経験者の先輩から話を聞く機会や少人数制でのサポートなどが充実していて、本学には安心してDPに挑戦できる環境が整っていると思います。少しでも興味があったらトライアルだけでもぜひ挑戦してみてください!応援しています!
*他に横浜市立大学に合格立教大学 社会学部現代文化学科に合格

質問1「きっかけ」
元々、通っていた英語教室の先生の紹介でIBを知り挑戦してみたいと思い仙台育英に入学しました。参加したIBトライアルがとてもやりがいのあるものだったので、DPを受講することにしました。
質問2「スタートして」
IBの学びは想像していたよりもはるかに良い影響を私に与えてくれたと思います。
課題の多さやIB生特有のスケジュールで高校生活を送ることは覚悟していましたが、時にその大変さは想像を超えるものでした。
質問3「興味深く取り組んだ科目」
CASです。多様な活動に取り組み、物事を行う上でのPDCAのサイクルを定着させることができたと思います。特にリフレクションでは取り組んだ内容だけを評価するのではなく、活動を通して変化した自身の長所や能力についても触れることで、自分自身の対する理解を深めることができたのがよかったです。
質問4「苦労」
タイムマネジメントや自分を律して正解の形がはっきりとしていない課題に取り組むことに苦労する場面が多かったです。
質問5「変化・成長」
知識を得るまでの過程や、学ぶことにおいて重要視することが変わったと思います。たったひとつの解答を導き出すためでも、膨大な知識や証拠あるいは見解などに触れることが重要であると思うようになりました。「知っている」ということの定義がただ、そのことについて認識しているということではないと考えるようになりました。
質問6「収穫」
思考力がついたことだと思います。考えるプロセスや視点が変わると、勉強だけでなく身の回りの様々な事物の見え方が変わると実感しました。
質問7「夢・展望」
DPを通して養った力を多くの場面で活かしていきたいです。
質問8「後輩へ」
ぜひトライアルに参加してみてください。私はIBでの学び方を好ましく思っていましたが、それぞれ相性があると思います。自分が上手く出来るか、出来ないかで迷っているならぜひ挑戦してみることをおすすめします。
法政大学 GIS(グローバル教養)学部グローバル教養学科に合格
*現在海外大学を目指して出願中
質問1「きっかけ」
ディスカッションベースの授業形態やアカデミックな知識のほかに将来に役立つスキルの習得を目指すというプログラムに強く惹かれました。
質問2「スタートして」
課題などは多いと聞いていましたが、想像通り多かったです。日常的な課題のほかに各教科のIA・EE・CAS・英語の資格勉強など複数のタスクをこなさざるを得ない状況だったので、想像以上に大変でした。
質問3「興味深く取り組んだ科目」
CASです。DPのコア科目の一つで、自分で考えた企画が初めて社会貢献につながるかも知れないとトライアル時から強い興味を持っていました。実際に、特に力を入れたCASプロジェクトでは約1年の期間を通して、「若者の選挙の投票率」というテーマで活動し、全国の学生と2回のワークショップを行いました。NPO団体や仙台市議会、IB生などさまざまな人々の協力のもとプロジェクトを行い、目的としていた社会学的知見のほか、批判的思考や情報伝達などさまざまな面で大きな学びを得る事ができました。これ以外にも活動を行いましたが、ボランティアや創作活動など全ての活動で自分を成長させる事ができました。
質問4「苦労」
私が2年間で最も大変だったのは、複数の物事を両立して行う事です。IBが終わった今でも正直マルチタスクは苦手ですが、日々の課題とコア3科目、日本の大学受験…と次々にタスクが溜まっていく時期は特に辛かったです。それでもなんとか乗り切れた方法は、予定管理アプリを使い徹底的に予定を管理したことでした。そのおかけで少しはタイム・セルフマネジメント力が身についたと思います。
質問5「変化・成長」
先の質問でもお答えしたように、主に自己管理などATLスキルをもとに自分の成長を感じました。DPが終わってからpersonal profileにて自分について答える質問があったのですが、批判的に考えられるようになっていたり、様々なコミュニティに参加したことで広い視野を身につけることができ、たくさんのスキルが身についたことを実感する事ができました。
質問6「収穫」
私にとっての1番の収穫は、リフレクションの大切さを学んだことです。DPの2年間のプログラムは、タイトなスケジュールで行われるため、物事が終わった時には「もう終わったの!?この間まで別の課題をやっていたのに!」とゆっくり後ろを振り返る間もなく次々とタスクの期限がやってきます。しかし、一つ一つの課題や活動が非常に重要なものであるため、「振り返り」は欠かせません。普段の授業やTOK、CAS活動の振り返りなどを通して、目的に対する結果と考察を書き出すことで、自分の思考の整理や他人と関わる中での気付きを学びに変える事ができたと思います。その上、長期の活動や課題の場合は、そこから自分の成長を把握する事ができるので、自信につながりました。
質問7「夢・展望」
社会調査士としてのキャリアを目指しています。CASの活動を通して、コミュニティと個人について調査をする中で人々の関わりと社会問題の関係に興味を持ったことがきっかけです。人々の動向や社会の流れを分析することでより良いサービスを社会に提供し、社会問題の解決に繋げられると考えました。そのために、IBで学んだ批判的思考力やリサーチスキルを活かして大学では社会学を専攻したいです。
質問8「後輩へ」
根性があれば学力が高くなくても英語ができなくても挑戦できるものだと思います。実際に、私も入ったプログラムが始まった当時は英語で会話ができない、文章が書けないと苦労しましたが、泣きながらでも色々なツールを使って演習をしたり、家でも一人で喋ったりと諦めずに学び続けることでプログラムをクリアする事ができました。挑戦を考えているときは、ぜひ自分が後悔しない道はどれか…を基準に選んでみてください。
*他に武蔵大学に合格東京理科大学 先進工学部物理工学科に合格

質問1「きっかけ」
当時、将来的に必要とされるのは「1つの分野に突出した人」と「複数の分野に対して総合的に対処できる人」の大まかに2種類あると考えていました。しかし、自分は1つの分野に対して取り組み続け、競争を勝ち抜く自信がなく、複数の分野に対応できるように領域横断的に学ぼうと考えました。また、将来的に絶対必要になる「人前で発表する」ことや「文章を書くこと」、これらに加えて英語力を鍛えることができるIBDPに挑戦しようと思いました。
質問2「スタートして」
先生や先輩から聞いていた通り課題が多く、短い期間での英作文や英語のプレゼンテーションの課題は大変でした。
質問3「興味深く取り組んだ科目」
EEでは、小さい頃からの疑問をテーマにすることで、興味を持って取り組むことができました。実験の結果をグラフや表にして、考察とともにまとめるという大学に入ってからも役に立つスキルを向上させることができました。
質問4「苦労」
課題の量が多く、特にIAやEEを始めとする論文の執筆や英作文と英語のプレゼンテーションをいかに効率的に終わらせるか試行錯誤しながら頑張りました。
質問5「変化・成長」
文章を書くスキルが向上したと思います。小学生から中学生にかけては、作文がうまく書けず、夏休みや冬休みの宿題でも苦労していましたが、レポートの執筆などを通して文章を書くことへの苦手意識が薄くなりました。
質問6「収穫」
やはり、DPでの授業や課題を通してでないと得られないスキルを取得できたことが一番の収穫だと思います。例えば、レポート執筆のような苦手意識を持っていたスキルを伸ばすことができたことや、コミュニケーションのような新たなスキルを身につけることができました。
質問7「夢・展望」
複数の視点や分野から物事を考え社会を支えられるような技術者を目標として、DPで鍛えた様々な能力をさらに向上させていきたいです。
質問8「後輩へ」
DPでは課題の量が多く、それらをどのように効率的に自身の勉強と両立するかが鍵になってくると思います。もちろん、その過程で大変なことや悩むことも多くあります。しかし、DPに挑戦することで新たなスキルを取得できることもまた事実です。DPに少しでも興味がある、様々な課題を並行して処理する力を身につけたいと考えているなら、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
東北福祉大学 健康科学部保健看護学科に合格

質問1「きっかけ」
IB生のCASの企画に参加したことをきっかけにCAS活動に強い関心を持ったのでDiplomaに挑戦したいと思うようになりました。
質問2「スタートして」
授業形態は想像通りで、先生から教えてもらうことよりも自分たちで探究する機会が多くありました。DPを始めたときは、DPを取得するための最終評価物などの認識が薄かったので、各教科のIAや論述課題の内容が想像していたより濃くて大変でした。
質問3「興味深く取り組んだ科目」
CASでは自分の関心を持っていたことに挑戦することができました。計画を立てるところから振り返りを行うことで、いままで何気なく参加していたボランティアの中でも、自分の成長に気づくことができました。
質問4「苦労」
私はEEの進行が周りの人よりも大幅に遅れていたので、焦りすぎて、あまり楽しく取り組むことができなかったのが辛かったです。最終的には、たくさんの人に助けられて書き上げることができましたし、この経験をもとに大学生活でも計画性を持って物事に取り組みたいと考えられるようになりました。
質問5「変化・成長」
もともとは計画を立てることが苦手で、思いつきで取り組むことが多かったですが、IBの課題を計画を立てずに取り組んで失敗することが多かったので、少しずつ計画性のある人間に成長したと思います。
質問6「収穫」
いちばんの収穫は、DPのメンバーです。IBではグループワークが多いので、周りのメンバーから学ぶ機会や助けられる機会が多くありました。IBの生活の中で、友達に助けられた経験が、人と協働することの楽しさや重要性を知る機会になり、将来の生活に役立つと思います。
質問7「夢・展望」
大学に進学し、看護師・助産師として医療が不足している国や地域で医療支援活動に従事したいです。
質問8「後輩へ」
私は受動的な授業が苦手だったので、IBの生徒が中心の学習が合っていたと思います。しかし課題の中で、こんなの興味ない!と思ったこともあったので、IBに取り組む目的や目標を明確に持っていた方がいいと思います。後悔のない選択をして、高校生活を楽しんでください。